広島地方裁判所 令和5年7月4日判決「産業廃棄物処理施設設置許可許可処分取消請求事件(一部認容)判決」

顧問会社の皆様

いつも大変お世話になっております。

先日、当事務所の顧問であり、上智大学法科大学院教授の北村喜宣先生をお招きして月1回開催している定例勉強会を行いました。

テーマは、広島地方裁判所 令和5年7月4日判決「産業廃棄物処理施設設置許可許可処分取消請求事件(一部認容)判決」です。

本判決は、月刊廃棄物の拙著の連載でも取り上げたことがありました。

本件の主な争点は、
① 原告適格が認められる範囲はどこまでか
② 本件施設が「周辺地域の生活環境について適正な配慮がなされたもの」であるといえるか
でした。

施設を設置するにあたって、当該施設が「周辺地域の生活環境について適正な配慮がなされたもの」であると言えるかどうかは常に問題となります。

今回、安定型処分場においては、安定5品目のみの搬入が許されるものの、実際には安定5品目以外の廃棄物が混入する可能性があることを理由に安定型処分場設置にあたって、法律上の要件ではない遮水シートの設置が求められることが多いことが話題となりました。

安定型処分場設置にあたって遮水シートの設置を義務付け、遮水シートを設置しないことを理由に不許可処分とした事例があった場合、その不許可処分は適法となるのでしょうか。

あるいは、安定型処分場設置に当たって、遮水シートの設置を求めることは違法な行政指導であるとして、不許可処分は違法となるのでしょうか。

このような判例はまだありません。大変興味深いです。

ただ私としては、安定型処分場設置にあたって遮水シートの設置を義務付けるのは、安定型処分場という処理施設自体を否定するものであり、遮水シートの義務付けは廃棄物処理法に違反するものであると考えます。

もっとも、安定5品目のみの搬入を担保するために、展開検査にあたっての条件を設ける等の対応は許されると考えます。

代表弁護士 芝田麻里

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