「不法投棄」ってなんだ?(意義とその影響について)

当コラムでは、「廃棄物」とは何か、また、
「廃棄物」であるか否かをどのように判断するかについての
「総合判断説」についてご紹介してきました。
総合判断説 廃棄物 判断要素 (shibatalaw-ginza.jp)

今回は、その「廃棄物」を捨てることである「不法投棄」について
判例の事例などを交えてご紹介していきたいと思います。

まず、「不法投棄」とは、
条文上は「廃棄物をみだりに捨てること」となります(廃棄物処理法16条)。

また、不法投棄をした者は、
廃棄物処理業者であると否とを問わず
5年以下の懲役又は1000万円以下の罰金またはその併科(両方)が
科せられます。

さらに、法人(会社)がこれを行ったと評価される場合には、
不法投棄を行った本人とともに
会社に対しては、3億円以下の罰金が科せられます。

また、役員又は法人が不法投棄の罪で処罰された場合には、
執行猶予が付いたとしても当該法人は欠格要件に該当し、
許可が取り消されます。

さらに、法人が欠格要件に該当した場合の連鎖は平成22年改正によって
限定されたものの、不法投棄による欠格要件については
連鎖するとされています。

つまり、法人Aが不法投棄で欠格要件に該当する場合には、
法人Aと役員を共通にする法人Bも欠格要件に該当するとされます。

というわけで、不法投棄を行ったとされると、
① 不法投棄を行った本人が5年以上1000万円の罰金を科される他、
② 法人についても3年以上の罰金が科されるおそりがあり、
③ さらには、当該法人が欠格要件に該当するほか、
➃ 当該法人と役員を共通にする法人も欠格要件に該当する
とされる重大な影響をもたらします。

そこで、何が「不法投棄」にあたるかを知ることは
廃棄物処理業に携わる者にとって非常に重要であるといえます。


★ 従業員による不法投棄の例については「イマドキの不法投棄」へ↓
イマドキの「不法投棄」 | 廃棄物処理法とともに50年 | 弁護士法人 芝田総合法律事務所 (shibatalaw-ginza.jp)

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