コモンのギモン(22)「搾りカスの行方」

「搾りカスの行方」

非常勤顧問 北村喜宣

 黒糖焼酎の製造元酒蔵を訪問する機会がありました。90分間の実に充実したツアーがあり、製造工程に関する理解を深めることができました。

 黒糖焼酎の原料はサトウキビです。サトウキビから糖液を抽出し、石灰を加えて煮沸して黒糖を作った後、別につくられた米麹に水と酵母を加えて酒母とし、そこに黒糖を溶かした黒糖液を入れて発酵・蒸留して製造されます。

 最初の過程では、大量のサトウキビが使われます。もちろん必要なのは糖液だけですから、結果として、これまた大量の搾りカスが発生します。搾りカスをつくるために搾るわけではありません。副産物であるカスは不要物です。

 焼酎のような食品の製造業から発生する植物性固形物は、廃棄物処理法2条4項1号・同法施行令2条4号にもとづき、産業廃棄物となります。搾りカスはこれに該当します。それでは、どのように処理しているのでしょうか。ツアーにおいては、「搾りカスは肥料として利用されている」という説明がされていました。どうもスッキリしない説明でしたので、ツアー終了後、ガイドさんに対して、個別に質問しました。

 問「肥料というのですが、全量がたい肥化されているのですか。」答「ほかの場所に広い自社有地があって、そこに置いています。」

 時間がなかったので、それ以上は確認できませんでした。でも、次のような疑問が残ったまま工場を後にしました。

 「置いている」というのは、廃棄物処理法上は「保管」のことである。工場で発生した不要物を場外で保管するとすれば、保管場所が300㎡以上の場合、廃棄物処理法12条3~4項にもとづき、県知事への場外保管の届出が必要になるが、それはされているのだろうか。そこにおいて、同法12条2項の産業廃棄物保管基準は遵守されているのだろうか。置いているだけで搾りカスがたい肥になるわけではないが、具体的にどのような加工が施されているのだろうか。「肥料の品質確保等に関する法律」の適用は受けているのだろうか。全量をたい肥化して搬出・販売しているのだろうか。たい肥にせずにたんに置いているとすれば、あるいは、たい肥にはしたけれども利用されずに置いてあるとすれば、廃棄物処理法16条の不法投棄になるのではないか。

 その後も確認はしていませんが、事務所柄、どうしても廃棄物処理法に引きつけて考えてしまうようです。

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