欠格要件とは(欠格要件シリーズ①)
「欠格要件」とは、
法に従った適正な業の遂行を期待することができない者を類型化したものです。
また、「欠格要件制度」とは、
これらの者に許可を与えず、又は許可を取り消すことによって
これらの者を廃棄物処理業から排除すること、
これによって、廃棄物処理の適性を保つことを目的とする制度です。
イメージとしては、廃棄物処理業界をクリーンに保とうとする制度です。
「欠格要件」に該当すると廃棄物処理業の許可が取り消されてしまうという
非常にインパクトが強い制度であり、
産業廃棄物業界にとっては、常に最大の関心事であるといっても過言ではありません。
一回ではとても書ききれるものではありませんので、
何回かに分けて「欠格要件」についてご紹介していきたいと思います。
ところで、2022年に欠格要件に該当したことによって許可が取り消された事例は
私が各都道府県のHPを調査したところ、34件ありました。
許可取消処分事例のうち、
1位は役員が「廃掃法令等違反で罰金刑以上の刑罰を受けた事例」でした。
2位は役員が「禁錮刑以上の刑事罰を受けた事例」。
※「禁錮刑」とは、懲役刑と同様に受刑者を刑事施設に収容する刑罰であるものの
刑務作業が義務付けられていない刑罰のこと。
1位と2位はどちらも役員が刑事罰を受けたことによって欠格要件に該当した例です。
「罰金以上」の刑事罰を受けた場合と
「禁錮刑以上」の刑事罰を受けた場合を比較すると、
「禁錮以上」の刑事罰を受けた場合の方が重いように感じられるかもしれません。
しかし、ここは、
「罰金刑」であっても許されず欠格要件に該当する場合と
「禁錮刑」以上の刑事罰を受けると許されない場合、
というように理解していただきたいところです。
そして、「罰金刑」であっても許されない場合とは、
廃掃法令は環境法令、一部の刑法犯等に該当する場合であり、
「禁錮刑」以上の刑事罰を受ければ許されない場合とは、
上記以外ということになります。
ここで、仮に、
★「環境法令、一部の刑法犯等に該当し、罰金刑以上の刑を受けると
欠格要件に該当する場合」を「第一類型」、
★「禁錮刑以上の刑事罰を受けると欠格要件に該当する場合」を
「第二類型」
とします。
次回は、「第一類型」について、深掘りしてみたいと思います。
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