なぜ再資源化高度化法ができたのか(再資源化高度化法の成立の背景)

これまで、「超ざっくり再資源化高度化法」で同法の概要をご説明し、「再資源化高度化法の認定の対象となる事業とは」において、同法が認定の対象としている三つの事業類型をご紹介いたしました。

 では、なぜ再資源化高度化法が成立したのでしょうか。成立の背景を見ていきたいと思います。現在、世界には、天然資源の枯渇、地球温暖化、環境汚染、生物多様性の喪失等多くの問題が存在します。
 
これは、天然資源を利用することによる大量生産、大量消費、大量廃棄という、いわゆる線形経済の限界といわれています。

 

 すなわち、天然資源を利用するから天然資源の枯渇化を招き、天然資源の利用による人間の経済活動により地球温暖化と環境汚染を招き、天然資源の枯渇化と人間の経済活動による地球温暖化と環境汚染は、生物の多様性を喪失させつつあります。

1.地球温暖化の防止

 地球温暖化はなぜ避けなければならないのでしょうか。

 地球温暖化は地球をとりまく温暖化効果ガスによって生じています。太陽で温められた熱が、温室効果ガスがあるために、宇宙へ放出されずに地球にとどまる結果、地球があたためられるため「温室効果ガス」と呼ばれています。仮に、温室効果ガスがなかったら、地表の温度はマイナス19度程度になるといわれています。そのため、温室効果ガスは、一定程度は存在しなければならないのです。

 しかしながら、温室効果ガスは、産業革命以後増え続け、何も対策を行わないと、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)によれば、現在の温室効果ガス排出傾向が続いた場合、2050年までに工業化以前と比較して約1.5°C〜2.4°C上昇すると予測されています。気温が上昇すると、以下のような様々なリスクが発生するといわれています。 

 そこで、政府は、2050年までに温室効果の主な原因であるCO2の排出を「実質ゼロ」にするカーボンニュートラルを達成することを目標にしています。
 しかしながら、現在(再資源化高度化法制定前)のままでは、カーボンニュートラルは達成できないことから、温室効果ガスの排出とより一層の削減を目指して再資源化高度化法が成立しました。同法第2条第2項にも「「再資源化事業等の高度化」とは、…温室効果ガスの排出の量の削減の効果が増大することをいう。」と定めています。

2.循環経済への移行

 再資源化高度化法が目指すものは、温暖化の防止だけではありません。
 同法は、温室効果ガスの排出削減とともに循環経済の促進も目的としています。
 循環経済とは、資源循環と「経済成長の好循環を目指す新たな経済の概念」であり(環境省)、「資源(製品や部品等を含む)を循環利用し続けながら、新たな付加価値を生み出し続けようとする経済社会システム」のことです(一般社団法人循環経済協会)。上述の「線形経済(リニアエコノミー)」が対立概念であり、日本政府は、2024年7月30日閣僚会議において、線形経済から循環経済へ、「循環経済を国家戦略」とすることを閣議決定しました。

  

 上に述べたように、現在、世界においては、天然資源の枯渇をはじめとする様々な問題が生じていますが、天然資源の枯渇は世界の天然資源の争奪戦と資源ナショナリズムをもたらしています。天然資源に乏しく輸入に頼らざるを得ない日本にとって、資源の輸入先である国から関係悪化、紛争発生等の理由により輸入先から資源が輸入できなくなると日本の経済は立ち行かなくなってしまいます(経済安全保障の必要性)。そこで、一度天然資源を投入した後は、その資源から製造された製品から再度資源を取り出すことによって資源を循環させていく循環経済が重要となるのです。
 循環経済は、廃棄物から新たな製品作りの部品や材料となるものを取り出すこと、再生することを重要な内容としていますから、廃棄物として廃棄することは避けるべきことであり、温暖化防止の観点からはCO2排出の原因となる焼却は避けるべきことになります。
 
 再資源化高度化法は、循環経済と温暖化防止を目指して制定された法律です。
 再資源化高度化法が用意する認定対象となる三つの類型については、「再資源化高度化法の認定の対象となる事業とは」(再資源化高度化法の認定の対象となる事業とは | 廃棄物処理法とともに50年 | 弁護士法人 芝田総合法律事務所)でご紹介しています。

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