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    (公社)全国産業資源循環連合会等の顧問を務める当事務所の最も特色のある分野です。

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Focus Area

ひとくちに環境問題といっても関わり方によって問題は様々です。
当事務所では、当事者の方の立場に立って問題にアプローチし、
問題解決に向けて伴走します。

新規ビジネスについて、法的に安全なスキームを構築できるようにアドバイスいたします。
ご相談事例は多種多様ですので、まずはご相談ください。

VOICE (※ 守秘義務の関係上、ご依頼者様の声は
すべて匿名で記載させていただいております。)
「日本のゴミは世界の宝」を実現するために
 弊社は「日本のゴミは世界の宝」であると考えています。

 日本の方が大切に着用されてきた衣類等を集め、開発途上国へ輸出し販売。販売に際して現地で従業員を雇用することができれば、世界中の必要とされる方の下へ日本の高品質な衣類等を提供することができると共に、現地でビジネスや雇用を生み出すことができる、と考えました。

 現在、弊社の取組みは法律上何ら問題がないものとして扱われていますが、本ビジネスモデルを検討していた段階においては廃棄物処理法に抵触しないようにスキームを組立て、行政に納得してもらうことがネックでした。

 そこで、芝田先生には廃棄物処理法に抵触しないよう運用方法をアドバイスしていただき、さらに行政と交渉していただくことで、スキーム開始前に廃棄物処理法に抵触しないとの行政のお墨付きをいただくことができました。

 現在、弊社の取組みは、国内外で評価され、日本政府からも表彰されています。持続可能なビジネスモデルで世界にいい循環をもたらしていると誇りに思っています。

CASE

CASE1
行政の立入と廃棄物処理法違反
CASE1 行政の立入と廃棄物処理法違反

 先日、行政の立入があり、許可のない廃棄物について取扱いがあるとの指摘を受けました。弊社はコンプライアンスについては常に注意し、適正な業務を心がけています。許可がない廃棄物の取扱いがあるとすると無許可営業をしていたことになってしまいます。弊社の許可は取り消されてしまうのでしょうか(→Solution1)。また、刑事罰を受けてしまうのでしょうか(→Solution2)。この場合、欠格要件に該当してしまうのでしょうか。欠格要件に該当した場合、どのようになってしまうのでしょうか(→Solution3)。

 弊社の廃棄物の取扱い状況について報告書を提出するように言われています。この点について、どのように対応したらよいでしょうか(→Solution4)。

SOLUTION
  1.  許可取消処分を受ける可能性があります。
  2.  無許可営業罪として有罪判決を受ける可能性があります。
     →この場合、会社は最大3億円以下の罰金を受ける可能性があります。
  3.  廃棄物処理法違反で有罪判決を受けると欠格要件に該当します。

     欠格要件に該当した場合、廃棄物処理法上のすべての許可を失います。また、欠格要件に該当した後、5年間は廃棄物処理法上の許可を取得することはできなくなります。
  4.  報告書の作成をサポートし(当事務所で作成することも可能です)、行政に同行することが可能です。

     報告書の作成にあたっては、廃棄物処理法の正しい理解に基づき、何が違反であったのかを踏まえ、適切な再発防止策を提示する必要があります。ここで、適切な対応を行うことにより行政の理解を得ることができれば、その後の行政処分、刑事処分(起訴)を防ぐことができる可能性があります。

     仮に、貴社に廃棄物処理法違反の事実はないと考える場合、慎重な検討と分析を行ったうえ、行政に違反はないことを伝える必要があります。この際、廃棄物処理法の正しい理解が必要なことはいうまでもありません。行政の理解が得られず、何等かの不利益処分が行われた場合には行政不服審査請求、行政処分取消訴訟等の法的手続きに進む可能性があります。
VOICE (※ 守秘義務の関係上、ご依頼者様の声は
すべて匿名で記載させていただいております。)
行政の立入を受けて
 行政の立入があり、許可取消になってしまうのか、正直なところ、会社はやっていけるのか、血が引く思いでした。誠心誠意、適正処理を心がけていたにもかかわらず、些細なことで許可が取り消されてしまうとしたら理不尽でやり切れない思いでした。

 しかしながら、弊社が行政から指摘を受けた点が、どのようなものなのか、どの点が違法だったのか、違反の程度はどの程度であるのか、行政処分の程度の見込みなど、丁寧に教えていただき、その後の対応の仕方について教えていただきました。

 行政処分の見込みがどのようなものであるかが分かっただけでも、とても安心しましたし、18条報告書の作成もサポートしていただき、行政との協議の場に付き添ってもらうなど、18条報告を提出するまで、ずっと寄り添っていただきました。

 とくに行政と協議を行う際に同行していただいたときは、行政の態度が我々業者だけのときとはまったく違っていて驚きました。我々業者だけだと、行政が言っていることに対して逆らうことができず、従うだけですが、行政の言っていることが法的におかしな点を指摘していただいて対応しなくて済むことがありました。

 行政が違法なことをすること自体が驚きでしたが、付き添っていただいて本当に心の拠り所になりました。
CASE2
委任契約書の不作成、マニフェスト規制違反
CASE2 委任契約書の不作成、マニフェスト規制違反

 先日、警察から呼び出しがあり、廃棄物処理委託契約書の不作成とマニフェストの不備を指摘されました。

 従業員には、つねづね委任契約書をきちんと作成するように指導しています。マニフェストについても同様で、廃棄物処理法に違反することのないように指導しています。

 会社の許可は取り消されてしまうのでしょうか(→Solution1)。

 今後、この件についてどのように対応すればいいでしょうか(→Solution2)。

SOLUTION
  1.  許可取消処分を受ける可能性があります。

     廃棄物処理委託契約書の作成及びマニフェスト規制の遵守は廃棄物処理法上の義務であり、これに違反することは、許可取消処分及び刑事処分を受ける可能性があります。
  2.  なぜ、廃棄物処理委託契約書の不作成及びマニフェスト規制義務違反という事態が生じたのかを適正に分析したうえで、行政に報告し、行政と連携を取りながら再発防止策を講じる必要があります。当事務所において、行政と連携を取りながら、再発防止策を講じるサポートができます。

     契約書の不作成やマニフェストの規制義務違反が会社に遵法精神の欠如によるものではなく、事故的なものであることについて行政の理解を得ることができれば、許可取消処分や刑事処分に至らない可能性があります。そのためには、会社が日頃から廃棄物処理法違反のないように、社員教育等を行っていたことなどがプラスになることがあります。その意味で、廃棄物処理法違反防止のために日頃からどのような対策を行っていたかが重要になります。廃棄物処理法違反防止のために何ができるかご相談ください。
VOICE (※ 守秘義務の関係上、ご依頼者様の声は
すべて匿名で記載させていただいております。)
廃棄物処理法違反で社員が取調べを受けて
 従業員には、常日頃、委任契約書の作成とマニフェストの管理については徹底して指導しているつもりでした。

 今回、委任契約書の不作成(委託基準違反)とマニフェストの不交付が分かって、頭の中が真っ白になりました。地元には廃棄物処理法に詳しい弁護士はいないため、雑誌で記事を読んだことがある芝田麻里弁護士のところに相談に行きました。

 警察からの事情聴取が、委託基準違反を行った従業員及び社長に対して行われている状況でした。

 弊社は、関係会社を含め、数社ありますが、委任契約書の不作成等が発覚した違反を行った従業員も違反が発覚した会社社自体についても有罪であること、欠格要件に該当してしまうことは諦めていましたが、従業員たちのためにも本社だけは何とか守りたい、という思いでした。

 ところが、結果として、従業員は不起訴、よって会社も不起訴で当然のことながら本社にも影響なし、という結論になりました。行政処分もありません。

 社員一同、より適正処理を心がけ、二度と違法行為を発生させない会社作りを心がけています。また、そのためにも日々の業務の中で発生する疑問点を放置してはならない、と芝田先生と顧問契約をご締結いただいています。
廃棄物処理法違反と捜査
 ある日、突然の警察の家宅捜索を受けました。会社と社長である私の自宅が同時です。会社のパソコン、私の手帳、請求書台帳などが差し押さえられ、会社の業務が立ち行かなくなりました。

 廃棄物に詳しい弁護士を知らず、知人に相談したところ、芝田麻里先生のご紹介をいただきました。

 すぐに警察にご連絡していただき、捜査に不要な物については返却していただく手続きを取ってもらいました。また、その後の捜査の進み方、取調べに対しての応答の仕方、事件の見通しなどもアドバイスいただきました。

 本件は、当社の取引先の末端で不法投棄があり、当社も関与が疑われたものでした。社員数名、私も取調べを何度も受けましたが、捜査の進み方や取調べの対応の仕方、事件の見通しなどを教えていただいていたので、不安はありましたが、落ち着いて警察の取調べ等に対応することができました。

 結局、当社に細かな廃棄物処理法違反はありましたが、不起訴にしていただくことができました。ご相談していなかったら起訴され有罪、さらには許可取消になっていたかもしれないと思います。
CASE3
役員の欠格要件該当
CASE3 役員の欠格要件該当

 弊社の取締役が、退社後、飲みに行った飲食店において、他の客と口論になり、襟元を掴まれたため振りほどいたところ、相手が怪我をしてしまいました。相手は、弊社の取締役を訴えると言っています。欠格要件等の心配はないでしょうか。

 取締役の欠格要件該当を防ぐための対策はありますか。

SOLUTION
  1.  業務外の行為であっても、取締役の行為が欠格要件に該当する場合があります。

     本件のように、相手に怪我をさせ、これによって傷害罪として有罪判決を受けることになると欠格要件に該当します。取締役など役員が欠格要件に該当すると会社も欠格要件に該当し、会社は廃棄物処理法上の許可を失うことになります。
  2.  役員が欠格要件に該当することによる会社の欠格要件該当を防ぐためには、以下の対策を取っておくことが必要です。

       ① 役員に対する欠格要件を含めた廃棄物処理法の規制を周知させること
       ② 役員の数を限定すること
       ③ 万が一、役員に欠格要件該当の事実が発生した場合には、直ちに会社に連絡を取り、その後の対策を行うこと
       (そのためには、役員と会社が密に連絡を取れる体制が必要です)

     会社が「役員に欠格事由該当」の事実を把握した場合には、速やかに弁護士に連絡をとってその後の対策をご相談ください。
VOICE (※ 守秘義務の関係上、ご依頼者様の声は
すべて匿名で記載させていただいております。)
役員の欠格要件該当を受けて
 私自身の欠格要件については、日頃細心の注意を払っています。それこそ、どこかでけんかに巻き込まれても、会社を守るためには反撃しないことを誓っています。もちろん役員にも欠格要件に該当することのないように口を酸っぱくして言っています。

 しかし、先々代の相続によって5%以上の保有株主になったいわゆる「みなし役員」については正直なところ意識の外になってしまっていました。というより5%以上保有株主が欠格要件に該当する可能性があることを明確に意識していませんでした。

 今回5%以上株主である「みなし役員」について暴行事件があったことを親戚の法事で知り、はっとしました。

 すぐに顧問弁護士である芝田先生にご連絡し、欠格要件可能性や、もし欠格要件に該当してしまうとしたら今後どうしたらよいかなどをアドバイスいただきました。

 大変恐縮ですが、緊急時には平日、休日を問わず携帯にご連絡しご対応いただけたことは本当にありがたかったです。

 顧問契約を締結していたとしてもこれほど親身になってくださる弁護士は少なく、廃棄物に限っていえばまず間違いなく芝田先生しかいないと思います。
CASE4
事業承継
CASE4 事業承継

 私は、中間処理会社を設立し、創業40年になります。会社も大きくなり、そろそろ長男に会社を譲ろうと思います。子供は長男を含めて3人おります。相続人は妻も含めると4人になります。財産は、自宅土地建物と別荘がひとつ、会社敷地、預金、株式があります。

 私としては、私が引退した後は、兄弟力を合わせて会社を盛り立てていってくれることを期待しております。自宅土地建物と別荘、預金5000万円は妻に、残りの預金と株式は兄弟で3等分してくれればいいと思っています。遺言書にもそのように書こうと思っております。

 何か気を付けた方がいいことはありますか。

事業承継イメージ
SOLUTION

 廃棄物処理業を行っている会社の場合、廃棄物処理法の欠格要件の関係で、役員はなるべく少なくすることをおすすめしています。役員が多いと欠格要件に該当する可能性のある役員が多くなってしまって、その分、欠格要件に該当する可能性が高くなってしまうためです。そして、5%以上保有株主は「役員とみなす」とされていることから、相続によって株式が分散し、5%以上株主が増えてしまうのは好ましくありません。仮に次の相続が発生した場合には、さらに株式が分散し、5%以上保有株主が増えることになってしまいます。

 また、経営の支配権の確保の見地からも、後継者である相続人に株式を集中させる必要があります。

 そこで、欠格要件該当の危険性の低減と経営の支配権確保の二つの要請から、後継者である相続人に、できれば3分の2以上、少なくとも51%以上の株式を集中させることをおすすめしています。

 本件では、「株式は兄弟で仲良く3等分」ではなく、後継者である長男に「できれば3分の2以上、少なくとも51%以上の株式を集中させること」をおすすめいたします。そのうえで、兄弟間で不公平感が出ないように相続の方法を検討する必要があります。この場合に、保険を使うという手段もあります。

 また、本件のように、法定相続分と異なる相続を考えている場合には(法定相続の場合、妻が相続財産の2分の1を相続し、残りを子ども達の頭数で均等配分する)、遺言書の作成が必須ですが、遺言書の作成にはいろいろとルールがあり、これを守らないと遺言書自体が無効になってしまう可能性があります。

 不公平感のない相続の方法で遺言書を作成し、相続による紛争を防止するために、事業承継を行う場合であって、当該会社が廃棄物処理業を営む会社である際は、是非、廃棄物処理法に詳しい弁護士に一度ご相談されることをおすすめいたします。

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すべて匿名で記載させていただいております。)
産廃業界の事業承継的M&A
 弊社はある会社の事業を引継ぐことになりましたが、どのような形で引き継げばいいのかまったく分かりませんでした。

 一般的にM&Aといわれるものであると思いますが、廃棄物業界の場合、下手をすると、被承継会社の債務を引継ぐどころか許可取消の原因となるような責任を引き継いでしまう可能性があります。

 どのような方法によって事業を承継すればいいのか、スケジュール感、値決めの仕方などをアドバイスいただき安心して事業を承継することができました。
CASE5
不法投棄(一般廃棄物と産業廃棄物の取り違え)
CASE5 不法投棄(一般廃棄物と産業廃棄物の取り違え)

 私は、事業系一般廃棄物と産業廃棄物の収集運搬を経営しているものです。あるとき、製麺工場の製麺の過程で出る麺のかけらなどの廃棄物を「一般廃棄物」として運び、一般廃棄物の廃棄物の処理場へ搬入しました。

 ところが、たまたま、一般廃棄物の処分場で検査を行っていた行政の職員から、「製麺工場」から出る食品廃棄物は「産業廃棄物」であり、これを「一般廃棄物」として運んだことは、食品残渣の運搬に関する産業廃棄物の許可を持っていない限り、「無許可営業」であり、また、産業廃棄物を一般廃棄物の処分場に搬入することは「不法投棄」であるとの指摘を受けました。

 日頃から、適正処理を行うことに細心の注意を払っているにもかかわらず、「無許可営業」であるとか「不法投棄」であるとかの指摘を受けて、頭が真っ白になりました。どういうことなのでしょうか。

SOLUTION

 食品製造業から出る「麺のかけら」などは、「食品残渣」として産業廃棄物にあたります(廃棄物処理法第2条第4項→政令第2条第4号)。

 そこで、本件製麺工場から出た「麺のかけら」などは産業廃棄物として食品残渣の収集運搬の許可を持っていなければ運んではならないことになり、当該許可を有していないにもかかわらず運んだ場合には、「無許可営業」ということになります(5年以下の懲役、3億円未満の罰金)

 また、一般廃棄物の処分場に産業廃棄物である「食品残渣」を搬入することは「不法投棄」にあたります(5年以下の懲役、3億円以下の罰金)

 廃棄物処理法違反が意図的なものではなく、日頃から適正処理を心がけていたにもかかわらず事故的に発生したものであることが理解されれば、許可取消を免れる可能性がありますが、重大な違反であることに変わりはありません。

 なぜ違反が発生してしまったのか、慎重な分析と、今後の再発を防止する対策が重要です。これには、廃棄物処理法の正しい理解が必要です。行政への報告書の作成、今後の再発防止策の策定のサポートをいたします。

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一般廃棄物と産業廃棄物を取り違えた結果
 「不法投棄」というと、悪質な業者が行うものでニュースの世界の話だと思っていたので、まさか自分が不法投棄の指摘を受けるとは思っていませんでした。

 産業廃棄物を一般廃棄物として扱っていたので、わが社の行為は、「産業廃棄物を一般廃棄物と考えた結果、産業廃棄物を無許可で収集運搬していた」ことになります。つまり、「無許可営業」です。また、搬入先である一般廃棄物の清掃センターに産業廃棄物を搬入することは「不法投棄」となる、と言われました。

 今回の件で、なんとか会社は存続することができましたが、廃棄物処理法の理解が非常に難しいことが分かりました。
CASE6
最終処分場設置許可申請と行政指導
CASE6 最終処分場設置許可申請と行政指導

 私は、収集運搬と中間処理の会社を営んでいます。管理型最終処分場の設置許可申請を計画中ですが、設置許可申請の手前の事前協議手続きでつまづいて設置許可申請に進めません。

 行政から周辺住民の同意を得るように言われているのですが、住民側の反対が強く同意は得られそうにありません。住民側の不同意の理由は、「今まで最終処分場がなかったからない方がいい」とか「反対の人がいるから」など、弊社で対策を立てることによって解決することができません。住民説明会を何度も繰り返し、5年経っていますが進展がありません。

 行政は、弊社が諦めるのを待っているような気がします。しかし、すでにかなり投資しており諦めるわけにはいきません。どうしたらいいでしょうか。

SOLUTION

 廃棄物処理施設を設置するにあたって、住民同意を得るように、というのは、よく行われる「行政指導」ですが、この「住民同意」は、実は法律上必要とされる要件ではありません。

 廃棄物処理施設の運営にあたって、周辺住民の理解を得ることは重要であり、その意味で、「住民同意を得るように」という行政指導は不適切なものであるとはいえません。しかしながら、事業者が住民に対して適切な説明を行い、住民の同意を得るための適切な努力をした後は、住民同意の取得を要請し続ける行政指導は適切であるとはいえません。

 行政が住民同意を得るようにと指導する根拠などこにあるのか、住民同意以外に設置許可申請に当たって問題となっている点はないか、適切な問題の所在の把握が重要です。廃棄物処理法の正しい理解に基づき行政と問題意識を共有しながら手続きに伴走し、手続きを前に進めます。

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処分場の設置許可申請
 住民同意以外の必要な書類や調査は揃えたのに、周辺の住民の同意だけが得られず行政は、すべての住民の同意が得られなければ設置許可は難しいとのというだけでした。

 住民に対しては、何度も説明会を開催し、疑問に対しては丁寧にご説明しましたが環境に問題があるなどの理由ではなく、「反対の人がいる限り自分だけ賛成できない」などの理由で賛成してもらえません。

 行政からは、住民同意を得られなければ事前協議は打ち切る、と言われてしまいました。

 しかし、今更諦めることもできず、芝田麻里先生にご相談したところ、処分場の設置に住民同意は必要ではないと教えていただきました。すなわち、住民同意は法律上の要件ではないとのことでした。

 もっとも、我々だけでは、行政にそのようなことを言うことはできませんので、行政に同行していただいて住民同意が不要であると伝えてもらうとその場であっさり住民同意が不要であるということになりました。

 あれだけ住民同意に苦しめられたのが何だったのか、という思いです。その後、設置許可が下りるまで行政との打合せには同席していただき行政の指導に対してどのように対応すべきかご指導いただきました。

 また、住民の理解は、処分場の営業が開始した後、日々の業務によって得ていく必要がある旨ご指導いただき、日々適正処理を心がけています。
CASE7
M&Aとデューディリジェンス
CASE7 M&Aとデューディリジェンス

 私は、収集運搬と中間処理の会社を営んでいますが、この度、管理型最終処分場を有するA社の株を全株取得しようと思います。A社の株式を全株取得するにあたってどのようなことに気を付ければよいでしょうか。

SOLUTION

 A社の株式を全株取得することは、A社の許可を維持するためにはいい方法です。

 なぜなら、「A社」という会社の法人格が変わらないので、A社が有していた廃棄物処理法上の許可も維持できるからです。廃棄物処理法上の許可取得が難しい中間処理や最終処分場については、許可を保有する会社の株式の取得が、許可を取得するもっとも簡便な方法といってよいでしょう。

 しかし、株式を全株取得するということは、A社の瑕疵(かし=キズ)もすべて引継ぐことになります。M&Aのことを、よく、会社同士の結婚に例えることが多いですが、相手会社のキズをよく知り、リスクを覚悟したうえでないと、M&Aを行ってから思わぬ損失を受けることがあります。

 廃棄物処理業の場合、廃棄物処理法違反の事実が重大である場合、許可取消にも発展しかねず、何のためのM&Aを行ったのか分からなくなってしまいます。

 対象会社を取得する際にどのようなリスクがあるのか、ないのか、あるとしたらどのような対策が立てられるのか等を調査するのがデューデリジェンスです。

 廃棄物処理業を営む会社については、廃棄物処理法との関係上、厳正な調査が必要となります。廃棄物処理法が絡む会社のデューデリジェンスについては、廃棄物処理法を知り尽くした当事務所にお任せください。

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すべて匿名で記載させていただいております。)
産廃業界のM&A
 弊社はある会社の事業を引継ぐことになりましたが、どのような形で引き継げばいいのかまったく分かりませんでした。

 一般的にM&Aといわれるものであると思いますが、廃棄物業界の場合、下手をすると、被承継会社の債務を引継ぐどころか許可取消の原因となるような責任を引き継いでしまう可能性があります。

 どのような方法によって事業を承継すればいいのか、スケジュール感、値決めの仕方などをアドバイスいただき安心して事業を承継することができました。
CASE8
支払の代行と処理委託費用の不払い
CASE8 支払の代行と処理委託費用の不払い

 弊社は中間処理業ですが、排出事業者(A社)と廃棄物処理委託契約は締結していますが、排出事業者と連絡はとったことはなく、支払いの代行を行う管理業者B社を仲介して処理費用をいただいています。

 ところが、B社の経済状態が悪化し、処理費用をここ3カ月ほど支払ってもらえません。そこで排出事業者であるA社に処理委託費用の支払いを請求したところ、B社にすでに支払ったので、支払義務はないと言われてしまいました。どうしたらいいでしょうか。また、このような事態を防ぐ対策はありますか。

SOLUTION
  1.  基本的な考え方

     排出事業者は廃棄物処理委託契約に基づき処理業者に対して廃棄物処理費用を支払う義務があります。これは排出事業者責任の最も基本的な義務であるといえます。管理業者による支払いの代行それ自体は違法ではありませんが、排出事業者が管理業者に支払いの代行を行わせるのは、自己の支払義務を代行させているといえます。管理業者による支払いは排出事業者自身の行為に準じて考えることができます。そうすると、排出事業者が管理業者に支払ったとしてもそれは排出事業者と管理業者の内部的なもので、廃棄物処理委託契約上の「支払い」とは認められません。

     そこで、基本的には、処理業者は、排出事業者に対して支払を請求することができ、排出事業者は支払いを拒むことができないものと考えられます。もっとも、契約書において、排出事業者が管理業者に支払ったときは排出事業者の支払義務は消滅する、などの文言があれば別です。

  2.  今後の対策

     まず、契約書で、支払いの代行が排出事業者の支払を代行しているものに過ぎないこと、したがって、排出事業者は管理業者に処理費用を支払ったとしても処理業者に支払ったとはいえないこと、処理業者に処理費用が支払われるまで排出事業者の処理費用支払義務は消滅しないことを明記しておくべきでしょう。

     とはいっても、契約書の文言は相手が承諾してくれなければ変わりません。契約書の文言を変えられなかったときは、その契約書にどのようなリスクがあるのかを十分把握しておくべきでしょう。

     契約書の文言の作成、リスク把握は是非ご相談ください。
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すべて匿名で記載させていただいております。)
支払の代行と処理費用の不払い
 支払の代行を担当している管理会社の業績が悪化したとのことで、処理費用を払ってもらえません。

 そこで、排出業者に直接請求したところ、管理会社に既に処理費用を支払っているので支払えない、との一点張りです。

 弊社が排出業者と直接話していても埒があかないので、芝田麻里先生に依頼したところ、速やかに排出業者と交渉を行っていただきました。

 契約書に処理費用が明確に記載されていなかったことなどもあり、弊社が当初請求を求めた全額の回収を行うことはできませんでしたが相当の金額を回収することができました。

 また、今後こういったことを防止するために契約書上気を付けるべき点などを教えていただきました。

CASE

CASE1
当社が処理委託した廃棄物が海外で発見されました
(排出事業者責任と廃棄物の横流し)
CASE1 当社が処理委託した廃棄物が海外で発見されました
(排出事業者責任と廃棄物の横流し)

 当社は、機械の製造販売を行っている会社ですが、古くなった機械を引取り、収集運搬業者Aに処理委託しました。てっきり処理が終了しているものと考えていたところ、海外のC社から当該機械の使用方法を教えてほしいと連絡がありました。

 社内で調査を行ったところ、どうも収集運搬業者Aが当該機械を搬入した中間処理業者Bから一部か全部か分かりませんが(B社は一部であると言っています)、海外に当該機械が「流れた」、つまり販売されたらしいのです。B社はおそらく海外への販売業者に販売したようです。当社とA社間、当社とB社間の廃棄物処理委託契約書はありましたが、法定記載事項を満たしていないものでした。また、B社からのマニフェストはあったりなかったり、というような状況でしたが、本件機械については「処理完了」のマニフェストが返送されてきていました。

 本件機械は当社がC社より買取り、適正に処分しましたが、これは、当社が何か責任を問われることになるのでしょうか。今後、本件のような事件が発生することを防ぐためにどのようにしたらよいでしょうか。

当社が処理委託した廃棄物が海外で発見されましたイメージ
SOLUTION
  1.  排出事業者の廃棄物処理法上の責任(リスク)

     排出事業者は、廃棄物処理法上、廃棄物処理に関して第一義的な責任を負うとされ、廃棄物処理委託契約書の作成が義務付けられるとともに、これに違反した場合には、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金を負うこととされています。契約書の内容についても、法定記載事項が定められ、法定記載事項に不備があると同じく3年以下の懲役又は300万円以下の罰金を負います。そして、廃棄物の処理を委託する場合には、廃棄物を処理委託すると同時にマニフェストを手渡し、あるいは電磁的に記録しなければならないとされており、処理が完了した場合には、処理が完了した旨記載して返送されてきたマニフェストを5年間保存しなければならないとされています。これらのマニフェストの規制義務に違反した場合には、1年未満の懲役または100万円以下の罰金を負うこととされています。廃棄物処理業者の場合と異なり、「許可取消」というサンクションはありませんが、もし廃棄物処理法違反の事実が公表されれば企業のレピュテーションが大きく傷つくことになります。レピュテーションリスクは、ときに、300万円以下の罰金よりはるかに高いコストがかかることがあります。

     そこで、まとめると、本件の場合に会社が負うリスクとては、廃棄物処理委託契約書の不備による300万円以下の罰金、マニフェスト規制義務違反による100万円以下の罰金、廃棄物処理法違反が公表されることによるレピュテーションリスク、ということになります。
  2.  今後の対策

     今後の対策としては、まず、社内で廃棄物処理法の理解、排出事業者責任を周知すること、また、できれば廃棄物処理法に詳しい弁護士に逐一相談することが望ましいといえますが、廃棄物処理法をよく理解している優良な廃棄物処理業者に委託することが重要です。優良な廃棄物処理業者であれば、排出事業者の理解が不足している点は補い、サポートしてくれるものと思われます。
  3.  廃棄物の「横流し」が企業に与える影響

     なお、本件のように、処理委託した廃棄物を転売することを廃棄物の「横流し」といいます。2016年には、ココイチのビーフカツが横流しされていたとして、社会的に大きな注目を集めました。廃棄物の横流し自体は、廃棄物処理法違反にはなりませんが、「処理する」といって排出事業者から処理費用を受け取ったうえで、処理せず外に転売する行為は刑法上の詐欺罪にあたります。事業者にとって、たとえば新商品の発売に合わせて型落ちの商品を廃棄したような場合、型落ちの商品が市場に出回ることによって新商品の価値を下げるなどの問題があります。また、企業イメージの低下、ブランド価値の低下につながることもあるでしょう。その意味で、廃棄物の横流しは排出事業者にとっても大きな問題ですが、廃棄物の横流しを直接規制するのは難しいのが現実です。

     やはり、信用できる処理業者と良好な関係を維持する、適宜、処理業者の施設を訪問し、処理状況を確認するなど(廃棄物処理法上の努力義務=第12条第7項)、日頃の対応が重要です。
CASE2
環境資源循環業界のM&A、プラスチック資源循環促進法
CASE2 環境資源循環業界のM&A、プラスチック資源循環促進法

 弊社(P社)は、プラスチック製玩具の制作会社ですが、昨今の環境ビジネスに対する意識の高まり及びプラスチック資源循環促進法の成立を契機に、資源循環ビジネスに進出できないかと考えています。

 プラスチックリサイクルの技術を有する廃棄物処理会社と提携、あるいは、M&Aで取得できないかと考えているのですが、廃棄物処理会社とのM&Aはどのように考えたらよいでしょうか。M&Aの良い方法がありましたら教えてください。

SOLUTION

 廃棄物処理会社との提携または取得を考えるとき、当該会社が廃棄物処理に関する許可を有していることが前提とされていると思われます(仮に廃棄物処理の許可を有する会社をS社であるとします)。

 そうであるとすると、M&Aの結果、S社の許可が失われてしまっては意味がなくなってしまうのですが、P社がS社を吸収合併する、あるいは新設合併をした場合には、S社の許可は消滅してしまうので、これらに手法を取ることはできません。S社の廃棄物処理事業をP社が取得する場合も、S社の許可は廃棄物処理事業とともに移転することはないので、P社は許可を取得することはできません。

 許可を残すもっとも簡便な方法はP社がS社の株式を取得することです。この場合、S社の株主がP社になるだけで、S社の法人格は何ら変わりませんので、S社の許可が失われることはありません。

 もっとも、株式譲渡の場合、S社の法人格は何ら変わるところはありませんので、S社が法人として負っている負債であるとか、契約上の義務はそのまま引き継ぎます。あるいは、顕現化していない違法行為による責任も引き継ぎます。

 そこで、S社の株式を取得することにタイプのM&Aを行う際には、会社に潜在的に存在するリスクなども含めて会社の状態を調査するデューディリジェンスを行うことが非常に重要になります。とくに廃棄物処理業においては廃棄物処理法の規制が厳格であるために、規制違反が後から発覚すると、M&A後に対象会社の許可が失われるリスクを否定できません。廃棄物処理会社のデューディリジェンスに関しては、廃棄物処理法に詳しい弁護士でないとリスクを見落とす可能性があります。是非、当事務所にお声をおかけください。

 ところで、リサイクルとは、廃棄物を再生することをいうので、原則として廃棄物処理業の許可がなければ行うことはできません。ただし、プラスチック資源循環促進法(プラ新法)においては、プラスチック製造事業、販売業者等がプラスチックのリサイクル計画を策定し、これが環境大臣によって認められれば、同計画の実行者の一人として記載された者は、廃棄物処理業の許可を有していなくても、リサイクルに必要な行為を行うことができます。プラ新法は、そのような意味でもプラスチックリサイクルの自由度を高め、様々な業界による取組みが期待できます。

CASE3
本社転居に伴って発生する廃棄物の性質
CASE3 本社転居に伴って発生する廃棄物の性質

 弊社の本社を移転する際、古くなった会議用テーブル、応接ソファ等を処分したいと考え、普段会社の廃棄物の処理を委託している産業廃棄物処理業者に会議用テーブル等の処理を委託しようとしたら、一般廃棄物の許可を持っていないので扱えないとの回答がありました。

 どういうことなのでしょうか。なお、会議用テーブルは木製、応接ソファは革製です。

SOLUTION

 産業廃棄物とは、廃棄物処理法第2条第4項、政令第2条に列挙する廃棄物のみを指し、それ以外の廃棄物は「一般廃棄物」にあたります。

 木製の会議用テーブル、革製の応接ソファなどは、産業廃棄物として列挙されていないので、一般廃棄物にあたります。そのため、一般廃棄物の処理の許可を持っていないと処理できないことになります。

 なお、木材は、木材や木製品の製造業、建設業等から排出された廃棄物のみが産業廃棄物にあたります(令第2条第2号)。

CASE4
支払の代行と処理委託費用の不払い
CASE4 支払の代行と処理委託費用の不払い

 弊社は自社製品の廃棄物の収集運搬を処理業者Aに委託していますが、A処理委託契約書を見たことはなく、Aと連絡はとったことはのありません。処理費用の支払いは、支払いの代行を行う管理業者B社を介して支払っています。

 弊社は、管理業者Bに支払った後、当然のことながら支払いは完了したと考えていました。ところが、B社はA社に処理費用を支払う前に、経済状態が悪化し、Aは処理費用をここ3カ月ほど修理委費用の支払いを受けていなとのことで、弊社に支払いを求めてきました。弊社は支払うべきでしょうか。また、今後何かこのような事態を防ぐ対策はありますか。

SOLUTION
  1.  基本的な考え方

     排出事業者は廃棄物処理委託契約に基づき処理業者に対して廃棄物処理費用を支払う義務があります。これは排出事業者責任の最も基本的な義務であるといえます。

     管理業者による支払いの代行それ自体は違法ではありませんが、排出事業者が管理業者に支払いの代行を行わせるのは、自己の支払い義務を代行させているといえます。管理業者による支払いは排出事業者自身の行為に準じて考えることができます。そうすると、排出事業者が管理業者に支払ったとしてもそれは内部的なもので、廃棄物処理委託契約上の「支払い」とは認められません

     そこで、基本的には、処理業者は、排出事業者に対して支払を請求することができ、排出事業者は支払いを拒むことができないものと考えられます。もっとも、契約書において、排出事業者が管理業者に支払ったときは排出事業者の支払義務は消滅する、などの文言があれば別です。
  2.  今後の対策

     1に記載したとおり、基本的には、排出事業者は管理業者に支払ったとしても処理業者に対する支払義務を免れない、ということになります。もっとも、契約書に「排出事業者が管理業者等に支払ったときは、排出事業者の処理業者に対する処理費用支払義務が消滅することが記載されていれば別です。

     排出事業者は、契約書をよく確認したうえで、特段の文言の記載がなければ処理業者に対する処理費用の支払いを免れない可能性があることに留意してください。ただ、実際の担当者間のやり取りはどうであったかなどによって異なり得るので、実際に問題が発生したときにはご相談ください。

     今後の対策としては、まず、排出事業者としては、廃棄物処理委託契約書等に、「排出事業者は管理業者に処理費用を支払ったときは、処理業者に対する処理費用支払義務を免れる。」の文言を契約書に記載しておく必要があります。具体的契約文言はご相談ください。

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