コモンのギモン(1)「向こう側に何をみる?」

「向こう側に何をみる?」

非常勤顧問 北村喜宣

 2025年1月より、芝田総合法律事務所の非常勤顧問に就任いたしました。本業は、上智大学での研究・教育です。法学部、法科大学院、大学院法学研究科では、環境法関係科目を担当しています。

 大学での研究生活がスタートしたのは、1989年4月のことでした。最初の赴任先は、横浜国立大学経済学部です。上智大学には2001年4月に移籍して、現在に至っています。

 研究者は、あれこれと考えるのが仕事です。ところで、学問分野には、大きく分けて、自然科学と社会科学があります。そこで何をしているのかなのですが、私は、「自然科学は自然法則の解明、人文科学・社会科学は人間法則の解明」であると整理しています。

 いずれの学問も、考える対象とするものをまずは把握しなければなりません。そして、「なぜそうなっているのか」と問うのです。自然科学であれば、観察をしたり実験をしたりして、その事象の向こう側にある法則を発見します。これに対して、法学が属するとされる社会科学は、資料を調査したりヒアリングをしたりして考え、「おそらくこうだ」という結論に達します。「真実はひとつ」なのかもしれませんが、説明は説明者の数だけ存在します。

 すべては「なぜ」から始まります。この「コモンのギモン」においては、私が研究対象とする環境法について私が感じた「はて?」について、自分なりに調べ・考え、そして、一応の結論をお示しします。

 商談や宴会の場での小ネタにできる情報の提供ができるよう、環境法研究者の目でまわりを見回します。どうぞ、お楽しみに。

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