INDUST1月号に「令和元年を振り返って」が掲載されました

全国産業資源循環連合会(全産連)の月刊誌『INDUST』に
芝田麻里が2017年から「産業廃棄物フロントライン」を連載しています。

2020年1月号に「令和元年を振り返って」が掲載されました。
https://www.fujisan.co.jp/product/1281682499/b/1921851/

今回は、令和元年の産業廃棄物に関する印象的な以下の出来事について振り返ってみたいと思います。
⑴ 1月24日 バイオオプラザ名古屋事件
バイオプラザ名古屋事件は、平成31年1月24日、排水基準を超える汚水を海に流したとして、食品廃棄物リサイクル工場の運営会社である「熊本清掃社」の代表者と工場責任者の2名が水質汚濁防止法違反の疑いで愛知県警によって逮捕されました。
熊本清掃社の代表者と工場長が水質汚濁法で起訴され、工場長に対して2月に名古屋簡裁から罰金50万円の判決が言い渡され、5月8日、熊本清掃社の元代表者に対しては名古屋地裁から懲役6月、熊本清掃社に対して罰金50万円の判決が言い渡されました。熊本清掃社に対しては名古屋市から同社の一般廃棄物の収集運搬の許可取消処分、産業廃棄物の処分の許可取消処分、愛知県から産業廃棄物の収集運搬の許可取消処分が行われました。


⑵ 5月20日 廃プラスチック類等に係る処理の円滑化等について(通知)
2018年1月に中国が廃プラの輸入を停止してから、国内における廃プラスチック処理が間に合わず、廃プラスチックが滞留しているとされることに対する通知でした。同通知においては、廃プラスチック類等の処理が間に合わず、廃プラスチック類等が国内、特に東京などの大都市に滞留していることを踏まえ、地方の比較的余裕がある処理施設において円滑な受入れが可能となるよう、広域的な処理の円滑化を要請し、自治体に対しては、搬入規制の廃止を呼びかけ、搬入規制の廃止が困難な場合には、手続きの合理化、迅速化を要請しています。


⑶ 7月 6日 高槻市廃棄物処理施設爆発事故
大阪府高槻市の廃棄物処理施設において爆発が発生し、3名が死亡し、1名が負傷する事故が発生しました。同事故は、スプレー缶のガスを抜く作業をしていたところ爆発が発生したもので、廃プラスチック類等の処理とはかかわらないものでしたが、廃棄物処理施設における火災は多く、処理施設の厳重な注意が求められます。


⑷ 9月 4日 優良産廃業者の廃プラスチックの保管量を2倍へ(省令)
国内に廃プラスチック類等が滞留していることを受け、不適正処理及び不法投棄を防止するため、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令が9月4日に公布され、同日から、優良認定を受けた中間処理業者に限って、廃プラスチック保管量の上限が二倍(28日分)へ増加されました。


⑸ 10月   台風19号により多量の災害廃棄物が発生
10月に発生した台風19号は各地に甚大な被害をもたらしまし、これにより各地に災害廃棄物が発生しました。非常災害時には、大量の廃棄物が同時に発生することが特徴で、自治体間の連携により、大量の廃棄物を、効率的かつ適正に処理することが必要です。


⑹ 12月1日 道路交通法改正施行(ながら運転の厳罰化)
ながら運転に6月以下の懲役刑が法定刑として組み込まれたことは、廃棄物処理業者にとって大きな意味があります。すなわち、道路交通法違反で罰金刑を受けても欠格要件に該当することはありませんが、懲役刑を受けると廃掃法上の欠格要件に該当するためです(法第14条第5項第2号イ→第7条第5項第4号ロ)。

本稿でそれぞれの項目についてより詳しく解説していきます。

是非ご覧ください。

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