INDUST2025年4月号に「令和5年許可処分取消請求訴訟(認容)について」が掲載されました

全国産業資源循環連合会(全産連)の月刊誌『INDUST』に
芝田麻里が2017年から「産業廃棄物フロントライン」を連載しています。

2025年4月号に「令和5年許可処分取消請求訴訟(認容)について」が掲載されました。
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令和5年7月4日に広島地裁で最終処分場の設置許可申請に対する許可処分が取り消されるという判決について前回に引き続きご紹介いたします。

広島地裁の令和5年7月4日判決は、最終処分場の設置許可処分を取り消す重要な判断を示しました。本件では、産業廃棄物処理施設の設置許可における「周辺地域の生活環境保全についての適正な配慮」という要件が満たされていたかが争点となりました。

判決では、処分場からの距離と水系を基準に原告適格が判断されました。処分場から約1.2km圏内に居住する原告らには原告適格が認められましたが、例外的に処分場から0.9kmに居住する原告については、分水嶺の反対側に位置することから、有害物質の排出による健康・生活環境への著しい被害を直接受ける地域に居住するとは言えないとして、原告適格が否定されました。

この判断は、単に距離だけでなく、地形や水系を考慮した環境影響の可能性を踏まえた合理的な判断といえます。許可申請者にとっても、どの範囲の周辺住民に原告適格が認められるかは重大な問題です。

最も注目すべき点は、裁判所が「生活環境保全について適正な配慮」要件を欠くと判断した理由です。本件では、周辺の井戸水利用状況の調査が不十分であったことが決定的でした。

この判決から、環境アセスメントにおいては調査指針に沿った徹底した現状把握が不可欠であり、特に有識者から指摘された事項については慎重な対応が求められることが明らかになりました。また、周辺住民への調査アプローチにも配慮が必要です。

本稿ではより詳しく解説していきます。

是非ご覧ください。

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