INDUST2018年3月号に「廃棄物処理委託契約と電子契約」が掲載されました

全国産業資源循環連合会(全産連)の月刊誌『INDUST』に
芝田麻里が2017年から「産業廃棄物フロントライン」を連載しています。
2018年3月号に「廃棄物処理委託契約と電子契約」が掲載されました。
https://www.fujisan.co.jp/product/1281682499/b/1635603/
今回は、電子契約とはどのようなものか取り上げてみたいと思います。
電子契約とは、電子文書をインターネット上のサービスで交換して署名することで契約を締結し、企業のサーバーや、外部のデータセンターなどに電子データを保管しておく契約の方法を言います。
電子契約を導入するメリットとしては、下記のようなものがメリットとして挙げられています。
①業務の効率化
契約書の印刷、製本、封入などの作業が削減し、契約スピードの向上が期待できます。とくに5年間の保存が義務付けられている契約書やマニフェストの保管を紙で保管しなくてもよいことは大きなメリットです。
②コンプライアンス強化
膨大な数の契約書を簡単に検索・閲覧・共有できることから、契約進捗管理、契約文書管理におけるコンプライアンスを強化することが可能となるとも言われています。
③コスト削減
これは電子契約の一番のメリットとして挙げられています。例えば印紙税の削減が挙げられており、多額の印紙が必要となる契約を行っている企業にとっては、電子契約を採用することで、節税効果が期待できます。
導入のハードルについては一般的なものとしては下記のものが挙げられています。
①取引先の理解
電子契約を実施するためにはm契約当事者の一方だけでなく双方が電子契約を導入する必要があります。したがって、サービスオーナー企業だけでなく、そこに関わる取引先も、利用料金を支払う必要が出てきます。取引先からしてみると、急に契約フローの変更と利用料金支払いを要求されたことになるので、直ちに取引先の理解を得ることが難しいという問題が出てきてしまします。
②書面が義務付けられている契約
書面の中には口頭では成立せず、書面での締結が義務付けられているものがあります。そのようなものについては電子契約によることもできないとされているので注意が必要です。廃棄物処理法上、委託契約は書面により行わなければならないとされているため、電子契約によることはできないと思われがちですが、いわゆるe-文書法の施行に伴い、環境省も廃棄物処理法に定められている委託契約書等について、従来の書面による作成・保存等に代えて、「電磁的保存・作成・交付」によることを認めているので、電子契約を導入することは不可能ではないということになります。
委託契約書に添付しなければならない書類については、e-文書法の施行に伴って制定された「環境省の所管する法令に係る民間業者等が行う保存等における情報通信の技術の利用に関する法律施行規則」では、電磁的作成・保存等が可能とされています。
本稿ではより詳しく解説していきます。
是非ご覧ください。