INDUST3月号に「水質汚濁防止法と廃棄物処理法 食品リサイクル工場の工場排水の公共用水域への排水行為について」が掲載されました

全国産業資源循環連合会(全産連)の月刊誌『INDUST』に
芝田麻里が2017年から「産業廃棄物フロントライン」を連載しています。
2019年3月号に「水質汚濁防止法と廃棄物処理法 食品リサイクル工場の工場排水の公共用水域への排水行為について」が掲載されました。
https://www.fujisan.co.jp/product/1281682499/b/1793151/
平成31年(2019年)1月24日、食品廃棄物リサイクル工場の運営会社である熊本清掃社が排水基準を超える汚水を名古屋港に排出し、水質汚濁防止法違反で代表者と工場責任者が起訴されました。本稿ではこの事件と水質汚濁防止法、産業廃棄物処理法との関係を見ていきます。
水質汚濁防止法とは、工場からの排水による水質汚濁を防止する法律です。違反した場合、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金に処されます。また両罰規定が設けられており、法人の代表者等が同法に違反した場合、その代表者等個人を処罰するとともに法人も処罰することとなっています。
廃棄物処理法は一般法、水質汚濁防止法は特別法の関係にあるとされています。特別法は、一般法が一般的に規定してある事項について、特別に規定したものであるため、特別法が優先的に適用されるというわけです。そのため工場からの排水については水質汚濁防止法が優先適用されます。ところが、廃棄物処理法の度重なる改正の結果、不法投棄については、廃棄物処理法の方が遥かに重い処罰が定められています。そうすると、不法投棄については、廃棄物処理法の優先的適用を認めるのが妥当といえるのではないでしょうか。
水質汚濁防止法と廃棄物処理法の特徴的な相違についてみてみたいと思います。
①一般法か特別法か
水質汚濁防止法は「工場及び事業場から公共用水域に排出される水の排出及び地下に浸透する水の浸透」について規制するものであり、廃棄物一般について定めた廃棄物処理法の特別法です。
②過失犯処罰規定の有無
廃棄物処理法、不法投棄は「故意犯」とされ、犯罪を犯す意思がなければ罪には問われませんが。水質汚濁防止法上、基準値を超える工場排水を過失によって公共用水域に排水した場合であっても、過失犯が成立します。
③未遂犯処罰規定の有無
不法投棄については未遂犯処罰規定がありますが、水質汚濁防止法上は未遂犯処罰規定はありません。
④無過失賠償責任
水質汚濁防止法には無過失損害賠償責任が定められています。つまり過失がなくても生じた損害を賠償する責任を負うこととされています。
本稿ではより詳しく解説していきます。
ぜひご覧ください。