INDUST4月号に「森友学園と廃棄物処理法」が掲載されました。

全国産業資源循環連合会(全産連)の月刊誌『INDUST』に
芝田麻里が2017年4月から「産業廃棄物フロントライン」を連載します。

2017年4月号に「森友学園と廃棄物処理法」が掲載されました。
https://www.fujisan.co.jp/product/1281682499/b/1482289/

本シリーズでは,すでに裁判例として事件が裁判で取り上げられた事例とともに,現在進行形で問題となっている事件についても先取りして問題点を掘り下げていってみようと企画させていただきました。ときにはちょっと踏み込みすぎることがあるかもしれませんが,取り上げさせていただいた事例がその後,社会でどう評価されていくのかも皆様と見守っていければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
さっそくですが,第一回目は,原稿を執筆している現在,まさしく世間を騒がせている問題である森友学園の廃棄物問題について取り上げてみたいと思います。

森友学園とは、大阪府の「肇國舎高等森友学園」を略した名称で、「塚本幼稚園」を経営する社会福祉法人です。2017年2月頃、国有地が不当に安く払い下げられたとして国会で議論を呼びました。具体的には、大阪府豊中市の国有地8770㎡について、不動産鑑定士による評価額が9億5000万円だったにもかかわらず、約8億2000万円安い1億3400万円で森友学園に売却されたことが問題となりました。この値引きの理由は「土地中に廃棄物が埋まっているから」とされました。

土地売買において埋設廃棄物が事前に判明している場合、売主側で撤去してから売却するか、買主側で撤去することを条件に撤去費用を売買代金から差し引くことは一般的には問題ではありません。しかし、本件は国有地であり、国民の財産であることから、その適正な利用を確保し財産の棄損を防ぐ必要があります。通常は①地方公共団体等からの利用希望を募り、②それがない場合に一般競争入札を行うという手続きが取られますが、本件では随意契約で売却されたため、売買代金の適正性を審査する機会が失われ、国民の財産が不当に減少したのではないかという点が問題となりました。

より大きな問題は、2016年3月に土地に埋設廃棄物が発見された後の処理方法です。工事に当たった業者の証言によれば「ごみの混ざった土砂の半分は運び出さず、敷地内に埋めた」とされています。これに対して森友学園側は「土砂は仮置きしたもので、埋め戻して隠蔽したと誤認したもの」と反論しました。

この問題を廃棄物処理法の観点から検討すると、「不法投棄」と「仮置き」の区別が重要になります。「不法投棄」とは「廃棄物をみだりに捨てる」行為であり、「みだりに」とは「生活環境の保全及び公衆衛生の向上の見地から社会通念上許容されないこと」を意味します(長蔵小屋事件判決)。また、「みだりに捨てる」に当たるか否かは、行為の態様、物の性質、量、管理状況、周囲の環境、行為者の内心の意図など客観・主観両面から総合的に判断されます。

森友学園のグラウンド予定地に置かれた廃棄物が「仮置き」なのか「不法投棄」なのかは、廃棄物の性状と管理状況によって判断されます。森友学園側の説明によれば「グラウンド東側に仮置きしている産廃土の下を掘削し、同スペースに一部の産廃土を縦積みにする形で仮置き」したとされていますが、これが適切な管理方法といえるのかが焦点となります。

仮に不法投棄に該当する場合、責任を負うのは誰でしょうか。まず実行行為者として、森友学園から処理を依頼された施工業者が責任を負います。しかし、森友学園が適切な処理をせず「埋め戻す」ことを指示していたとすれば、森友学園も不法投棄の共犯として責任を問われる可能性があります。

森友学園は土地に産業廃棄物が埋まっていることを知った上で、自ら処理することを条件に8億2000万円の値引きを受けて国から購入しています。そのため、廃棄物の処理方法について無関心だったとは考えにくく、施工業者にどのような説明を受け、どのような指示を出したのか、適切な処理費用を支払っていたのかといった点が重要な判断材料になります。

本件は廃棄物処理法における不法投棄の問題だけでなく、国有財産の適正な管理・処分という行政法上の問題や政治的な側面も含んだ複雑な事例であり、今後の検証が必要とされる問題です。

本稿ではより詳しく解説していきます。

是非ご覧ください。

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