INDUST5月号に「平成29年3月21日通知と廃棄物管理業 ~廃棄物管理業は違法か~」が掲載されました

全国産業資源循環連合会(全産連)の月刊誌『INDUST』に
芝田麻里が2017年から「産業廃棄物フロントライン」を連載しています。
2017年5月号に「平成29年3月21日通知と廃棄物管理業 ~廃棄物管理業は違法か~」が掲載されました。
https://www.fujisan.co.jp/product/1281682499/b/1494287/
今回は2017年3月21日に環境省から発出された「廃棄物処理に関する排出事業者責任の徹底について(通知)」の背景と意義について解説していきます。
この通知は、食品廃棄物不正転売事件(ダイコー事件)を受けて、排出事業者責任の徹底を図るため、「規制権限の及ばない第三者」、すなわち排出事業者と処理業者の間に介在して仲介やあっせんを行う「管理業者」に関する問題点を指摘するものです。
まず、廃棄物管理業は違法なのかという疑問について答えるならば、廃棄物の管理を業務として行うことそれ自体は違法ではありません。憲法22条1項が保障する職業選択の自由により、法律で禁止されていない限り、あらゆる職業活動を自由に行うことができます。廃棄物処理業については廃棄物処理法によって許可制となっていますが、廃棄物の管理行為を禁じる法律は存在しないため、マニフェスト発行・管理、契約書作成・保管、処理費用支払代行、処理業者の紹介などを行う「廃棄物管理業」そのものは違法とはいえません。
しかし、本通知が懸念しているのは、第三者が排出事業者と処理業者の間に介在することで生じる問題です。具体的には、①排出事業者責任の意識の希薄化、②排出事業者と処理業者の関係性の希薄化、③仲介料等の発生による処理業者への適正処理費用の不払い、といった問題が生じ、これらが最終的に不適正処理や不法投棄につながる恐れがあると指摘しています。
廃棄物処理法は排出事業者責任の原則を柱としており、排出事業者には適正な処理業者の選定、委託契約の締結、マニフェストの交付・確認など具体的な義務が課されています。これらの義務に違反すれば措置命令や刑事罰の対象となります。さらに排出事業者には自らの廃棄物が適正に処理されたかどうかを最終処分完了まで責任をもって管理することが求められています。
管理業者がこれらの業務を代行することで、排出事業者は処理業者の適格性を自ら確認せず、契約内容を把握せず、処理委託料金の適正さを確認しないなど、排出事業者責任を果たす意識が希薄化する恐れがあります。特に管理費用と処理費用が一括して支払われる場合、実際に処理業者にいくら支払われているのか排出事業者に把握できない状況となり、適正な処理費用の確保という廃棄物処理法の趣旨が失われてしまいます。
本通知は、廃棄物管理業を全面的に否定するものではなく、排出事業者責任の原則に立ち返り、現状の「第三者によるあっせん行為等」が排出事業者責任の趣旨に反するものではないかを警告しているのです。重要なのは、たとえ管理業者に業務を委託していても、法的責任はあくまで排出事業者自身にあるということです。2016年の同志社大学事件では、管理会社を通じて無許可業者に委託していたことで、同志社大学が排出事業者責任を問われ罰金100万円の処罰を受けました。
今後、管理業者はその存在意義を再確認する必要があります。排出事業者に対して適切な処理業者の紹介や廃棄物処理法の複雑な手続きをサポートするという需要があるのは確かです。しかし、「すべて任せてください」という姿勢ではなく、排出事業者責任の具体的内容をしっかりと理解させ、仮に管理業者の業務遂行に落ち度があった場合でも排出事業者自身が責任を問われることを自覚させる必要があります。また、仲介手数料・管理費用は処理費用と明確に区別して契約書に記載するなど、透明性を確保することも重要です。
廃棄物管理業は排出事業者のニーズから生まれた業種であり、一概に否定されるべきものではありません。しかし、単に「ピンハネ」を目的とするような業者は今後淘汰されるでしょう。これからの管理業者には、廃棄物処理法や関連法令に精通し、排出事業者や処理業者の良きアドバイザーとなることが求められています。排出事業者責任の原則を損なうことなく、廃棄物の適正処理に貢献する形で事業を展開していくことが、管理業者の今後の在り方として望ましいと考えます。
本稿ではより詳しく解説していきます。
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