INDUST6月号に「中津川処理施設設置許可・取消処分 取消裁決・取消請求訴訟」が掲載されました

全国産業資源循環連合会(全産連)の月刊誌『INDUST』に
芝田麻里が2017年から「産業廃棄物フロントライン」を連載しています。

2019年6月号に「中津川処理施設設置許可・取消処分 取消裁決・取消請求訴訟」が掲載されました。
https://www.fujisan.co.jp/product/1281682499/b/1836333/

平成25年12月25日、ある施設の設置許可を取り消した処分に対し、会社がその取消処分を不服として環境大臣に対し不服審査請求を行ったところ、その取消処分を違法とする裁決が出ました。これに対し、住民側がその裁決を違法であると主張して、平成26年6月24日、裁決取消請求訴訟を提起しました。今回はこの事件をご紹介したいと思います。

事案の概要
X社が岐阜県中津川市に廃棄物処理施設設置を申請し、2009年11月に許可を取得しました。しかし2010年7月に岐阜県知事が許可を取消しました。これに対しX社が環境大臣に不服審査請求を行い、2013年12月に許可取消処分を取り消す裁決が行われました。本件は2014年6月に周辺住民が裁決取消を求めて提訴したものです。

争点に対する裁判所の判断
❶「周辺地域の生活環境の保全について適正な配慮がなされたものであること」(適正配慮要件)
適正配慮要件は廃棄物処理法に定められた手続(申請書・環境影響調査報告書の提出、縦覧、意見聴取等)によって判断されるもの

これは法に規定のない住民への周知や合意形成は市町村長の意見聴取の対象とならないと判断していると解されます。 周辺住民との合意形成を許可要件とすると施設設置が困難になるため、法はそのような規定を設けていません。

❷X社は住民への申請計画内容の周知義務を負うか(住民への申請内容の周知義務の有無)
廃棄物処理法は申請者に対し、住民への説明会開催等による周知を直接義務付けていない。周知義務不履行が直ちに適正配慮要件を欠くとは認められない。

条例等で周知義務が課されていても、法律上の許可要件としては周知義務が課されるものではないと判断したものと解されます。

結論
周知義務不履行を理由とした許可取消処分は法令解釈を誤ったものであり、環境大臣の裁決は違法ではない

この判例は、廃棄物処理施設設置において住民との合意形成が課題となる中、法律上は住民への周知が直接の義務ではないことを明確にした点で実務上重要な意義を持つと言えます。

本稿ではより詳しく解説していきます。

ぜひご覧ください。

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