INDUST2020年6月号に「コロナ関連通知と令和2年5月1日廃棄物処理法施行規則改正」が掲載されました

全国産業資源循環連合会(全産連)の月刊誌『INDUST』に
芝田麻里が2017年から「産業廃棄物フロントライン」を連載しています。

2020年6月号に「コロナ関連通知と令和2年5月1日廃棄物処理法施行規則改正」が掲載されました。
https://www.fujisan.co.jp/product/1281682499/b/1985298/

令和2年5月1日に廃棄物処理法施行規則が改正され、一定の場合において廃棄物処理法上の許可がなくても環境大臣または都道府県知事の「指定」があれば廃棄物の処理ができるとするとともに、令和元年9月に優良事業者について廃プラスチック類の保管上限日数を拡大しましたが、他の品目の産業廃棄物についても保管上限日数の拡大をしました。この改正とともに、同日、標記の通知が発出されました。今回は、4月から相次いで発出されたコロナ関連通知についてご紹介するとともに、5月1日施行規則改正についてみていきたいと思います。

令和2年4月7日通知(環循規第2004075号)
「緊急事態宣言を踏まえた新型コロナウイルス感染症に係る廃棄物の円滑な処理について(通知)」では、廃棄物処理事業は国のインフラであり、「国民生活・国民経済の安定確保に不可欠」であるため、緊急事態宣言下であってもこれらの事業の円滑な継続が要請されるとしています。特に感染性廃棄物を扱う処理業者が、新型コロナウイルスが付着し、またはそのおそれのある廃棄物についても受入れて、迅速かつ適正に処理できるよう各都道府県知事等に要請しています。
具体的には以下のとおりです。
委託業者、許可業者及び清掃事務所において新型コロナウイルス感染症が発生し、事業者や事業所単位で活動不能となった場合の対応策
防護服等の焼却施設の運転継続のために必要不可欠な資材の確保
業務の優先順位を考慮した上で、人員や物資が不足した場合の廃棄物処理継続の継続性を重視した段階的な業務縮小計画

令和2年4月10日通知(環循規発第2004101号)
「廃棄物処理施設の点検及び機能検査における防護服の使用節減の徹底等について(通知)」では、防護服の確保が困難な状況にあることから、産業廃棄物の焼却施設及び溶融施設の点検及び機能検査について、防護服の着用を伴うような作業を伴う点検及び機能検査等の頻度について合理化を検討することを各都道府県に要請しています。

令和2年4月17日通知(環循規発第2004171号)
「新型コロナウイルス感染症に対応した産業廃棄物の処理能力を確保するための対応について(通知)」では、以下の2点について言及しています:
(1) 廃棄物の処理の再委託や、他の産廃処理業者に委託をし直すことについて
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、事業所に感染者が発生し、委託を受けていた処理業者自身によっては廃棄物の処理が困難になる場合が想定されます。このような場合、処理業者が自身の業務を第三者に委託するには、排出事業者にあらかじめ書面で承諾を得ておく必要があります。排出事業者はこのような場合に備えて、再委託予定先の許可の有無などのほか、再委託予定先の信用、処理実績等について事前に検討を行い、処理業者と認識の共有を図ることが要請されています。
(2) 円滑な広域処理の実現について
新型コロナウイルスの感染の拡大により、ある都道府県の処理業者による処理が困難となる場合、他の近隣都道府県の処理業者による処理が可能な場合があります。しかし、一部自治体の事前協議による事実上の流入規制が円滑な廃棄物処理を妨げる可能性があるため、このような法定外の規制は廃止するよう要請しています。

令和2年4月27日通知(環循規発第2004273号)
「新型コロナウイルスの感染拡大を受けた更新許可事務における対応について(通知)」では、新型コロナウイルスの感染拡大によって更新申請事務手続きを行うことが困難となることを想定し、許可更新の申請を郵送や電子メール等を利用した申請を認めることを各自治体に要請しています。添付書類の真正等の確認が電子メール等では困難な場合、補正手続きを利用して後日確認することを推奨しています。

令和2年4月28日通知(環循規発第2004281号)
「新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴うポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正処理の推進に関する特別措置法に規定する義務の履行への対応について(通知)」では、PCB廃棄物の処理について、各自治体においてPCB廃棄物の保管期限の調整等を行うことは差し支えない旨を通知しています。

令和2年5月1日廃棄物処理法施行規則改正と令和2年5月1日通知(環循規発第2005011号)
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令の施行及び新型コロナウイルス感染症に係る廃棄物の円滑な処理等について(通知)」では、以下の2点が主な内容となっています

⑴ 一定の場合に無許可の業者であっても環境大臣または都道府県知事の「指定」を受けて廃棄物処理を行えること
新型コロナウイルス感染症のまん延等により、産業廃棄物の処理が困難となる場合が想定されます。しかし、このような場合であっても、国のインフラであり、国民生活や国民経済の安定確保のため、廃棄物の処理が継続的に行われる必要があることから、都道府県知事または環境大臣が一定の場合に許可に代わる「指定」を行うことによって、当該「指定」を受けた者が当該産廃処理を廃掃法上の許可を有しなくても一定期間、「指定」を受けた品目について廃棄物の処理を行うことができることになります。

⑵ 優良産業廃棄物事業者について一定の産業廃棄物の保管上限を拡大したこと    
新型コロナウイルスによる当該処理施設の運転の停止その他のやむを得ない理由により行う保管であるときは、その保管容量の上限を拡大するとしています。

本稿ではより詳しく解説していきます。

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