INDUST2022年4月号に「プラスチック資源循環促進法とLCA」が掲載されました

全国産業資源循環連合会(全産連)の月刊誌『INDUST』に
芝田麻里が2017年から「産業廃棄物フロントライン」を連載しています。
2022年4月号に「プラスチック資源循環促進法とLCA」が掲載されました。
https://www.fujisan.co.jp/product/1281682499/b/2235860/
4月、いよいよプラスチック資源循環促進法が動き出します。社会的にも施行前から注目度の高い法律は少ないと思うのですが、今回は、プラ新法の「プラスチック使用設計指針」にスポットを当てて探ってみたいと思います。
プラ新法は、プラスチックの使用を制限し、排出を抑え、排出されたプラスチックに関しては、再生利用することによって、プラスチック製品の製造段階、使用段階、排出段階、すべての段階にわたってプラスチックを資源として循環させていくことを目指しています。
そして、国、地方公共団体、製造事業者としての企業、排出事業者としての企業、消費者、などあらゆる国民各層がステークホルダー(利害関係を有する者)として役割を期待されています。プラスチック使用製品設計指針は製造業者がプラスチック使用製品を作る際、設計に当たって考慮すべき事項を定めたものです。
プラスチックの使用量の削減、部品の再使用、再生利用を容易にするためには、プラスチック使用製品の設計段階から、その部品若しくは原材料の種類の工夫、プラスチック以外の素材への代替、再生プラスチックやバイオプラスチックの利用等の取組を促進することが重要とされていますが、まず、設計にあたって、以下の点について見直しを行うこととされています。
①構造
②材料
③製品のライフサイクル評価 (LCA)
④情報発信及び体制の整備
⑤製品分野ごとの設計の標準化並びに設計のガイドライン等の策定及び遵守
まず構造面では、減量化、包装の簡素化、長期使用化・長寿命化、部品の再使用、単一素材化、分解・分別の容易化、収集・運搬の容易化、破砕・焼却の容易化といった点について見直しを行うことが求められています。
実例として、ファミリーマートが持ち手に穴を開けた軽量化スプーンとフォークを導入したり、東京都のモデル事業として花王や凸版印刷などが単一素材のパウチを使った資源循環型ハンドソープを公共施設に配布したりする取り組みが始まっています。
材料面では、プラスチック以外の素材への代替、再生利用が容易な材料の使用と再生プラスチックの利用、バイオプラスチックの利用を検討することとされています。
また製品のライフサイクル評価(LCA)として、製造から廃棄までの全過程における環境影響を総合的に評価することが重要視されています。ある事例では、生産段階だけで評価すると環境負荷が低いと思われた製品が、ライフサイクル全体では逆に環境負荷が高くなるケースも示されています。
さらに情報発信や体制整備として、製品構造や分解方法、材質名などの情報を適切に提供すること、業界団体等による製品分野ごとの設計標準化やガイドライン策定も推奨されています。
本稿ではより詳しく解説していきます。
是非ご覧ください。