INDUST4月号に「これからのプラスチック資源循環のあり方」が掲載されました

全国産業資源循環連合会(全産連)の月刊誌『INDUST』に
芝田麻里が2017年から「産業廃棄物フロントライン」を連載しています。
2021年4月号に「これからのプラスチック資源循環のあり方」が掲載されました。
https://www.fujisan.co.jp/product/1281682499/b/2096984/
今回は、政府のプラスチック資源循環政策のあり方がコロナ前にどのようなものであったのか、コロナ後においてそれは変わったのか、変わったとすればどのように変わったのか、今後のプラスチック資源循環のあり方とはどのようなものなのかご紹介していきたいと思います。
1 令和元年5月31日付「プラスチック資源循環戦略」(コロナ前)
本戦略を通じて国内における①プラスチックを巡る資源・環境両面の課題を解決するとともに、②日本モデルとして我が国の技術・イノベーション、環境インフラを世界全体に広げ、地球規模の資源・廃棄物制約と海洋プラスチック問題解決に貢献し、③資源循環関連産業の発展を通じた経済成長・雇用創出など、新たな成長の源泉としていく旨を謳った非常に意欲的な内容となっています。
⑴ 基本原則
基本原則として以下の内容を掲げられています。
ア ワンウェイ(一回のみしか使用されないこと)の容器包装・製品をはじめプラスチックの使用を回避可能な限り避け、無駄に使われる資源を徹底的に減らす。
イ プラスチックをバイオプラスチック に切り替え、可能な限り長期にわたって利用するとともに、使用後は徹底的に分別回収し、循環利用を図る。
ウ 海洋プラスチックゼロエミッションを目指す。
エ アジア、太平洋、アフリカ等の各国へ、オーダーメイドで我が国のソフト・ハードの経験・技術・ノウハウをパッケージで輸出し、世界の資源節約、廃棄物問題、海洋プラスチック問題、気候変動問題の同時解決、経済発展に貢献する。
オ 国民レベルの分別協力体制や優れた環境・リサイクル技術など我が国の強みを最大限伸ばしていくとともに、国、地方自治体、国民、事業者、NGO等による関係主体の連携協働や、技術・システム・消費者のライフスタイルのイノベーションを推進し、幅広い資源循環関連産業の振興により、我が国経済の成長を実現する。
⑵ 重点戦略
① プラスチック資源循環
ア リデュース等の徹底
イ 効果的・効率的で持続可能なリサイクル
ウ 再生材・バイオプラスチックの利用促進
② 海洋プラスチック対策
ア 不法投棄、ポイ捨ての撲滅
イ 2020年までにスクラブ製品 に含まれるマイクロビーズ の削減の徹底
ウ 地方自治体等への支援等を通じて、地域の海岸漂着物等の回収処理を進める。
エ 海で分解される素材(紙、海洋生分解性プラスチック等)の開発・利用の推進
③ 国際展開
アジア・太平洋、アフリカ等の相手国ニーズ・実情に応じたオーダーメイド輸出により、我が国産業界とも一体となった国際協力・国際ビジネス展開を積極的に図るとしています。
④ 基盤整備
上記取り組みを行っていくための基盤として、❶効果的・効率的で持続可能な社会システムの確立 ❷資源循環関連産業の振興、❸バイオプラスチックの技術開発、革新的リサイクル技術の開発、シェアリング・エコノミーの展開の支援、❹マイクロプラスチックの使用実態、人の健康や環境への影響等の調査研究、❺海洋プラスチック問題へ向けての連携協働、❻情報基盤の整備、❼海外展開基盤について取り組むとしています。
本稿ではそれぞれの項目についてより詳しく解説していきます。
是非ご覧ください。