過積載

「過積載」とは、車両に積載をする積載物の重量が
道路交通法上の制限重量を超えて積載を行った場合の当該積載のことをいいます
(道路交通法57条1項、58条の3第1項)、
また、道路交通法上の制限重量とは、自動車検査証(車検証)に記載された重量です。

つまり、過積載とは、
車検証に記載された「最大積載量」を超えて積載を行った場合の積載のこと、
あるいはその状態
をいいます。

ところで、「最大積載量」とは、
車両総重量(車両全体の重さ=車検証に記載)から
車両重量(燃料やオイルなどの規定量を満たした状態での車の重さのこと=車検証に記載)と
乗車定員×55kgを差し引いた重さになります。

過積載は、道路交通法上禁止されており(道路交通法57条1項、58条の3第1項)、
これに違反した場合には、「6月以下の懲役又は10万円以下の罰金」が科されます
(道交法118条2項)。

過積載禁止の趣旨

過積載は、
① 走行車両の走行において減速しにくくなり制動距離が長くなったり、
② バランスを崩しやすくハンドル操作の妨げになる、
③ 衝撃力が増大する、
④ ブレーキが効きにくくなる
⑤ 道路の構造や路面を著しく損傷させる
など、道路交通の安全面で重大な問題が生じる可能性があるため、
道路交通法上禁止されています。

廃棄物処理法との関係では、過積載が欠格要件となるかが良く問題となります。
理論的には、過積載も欠格要件となる可能性があります。

以前に、「欠格要件とは(欠格要件シリーズ①)」で
刑事事件で有罪判決を受けた場合の欠格要件該当性についてご紹介しました。
欠格要件とは(欠格要件シリーズ①) | 廃棄物処理法とともに50年 | 弁護士法人 芝田総合法律事務所 (shibatalaw-ginza.jp)


そちらでもご紹介しましたように、
刑事事件で有罪判決を受けた場合、その犯罪が廃掃法等違反でない場合
(表の「第二類型」)、罰金刑であれば欠格要件には該当せず
禁錮刑(※)、懲役刑以上の刑罰を受けた場合に欠格要件に該当します。

過積載違反は道路交通法違反ですし、
道路交通法違反は「第二類型」に該当しますから
禁錮刑以上の刑罰を受けた場合に欠格要件に該当します
(罰金刑の場合はセーフ)。

過積載違反で禁錮以上の刑罰が科されることは過去の例からすると
稀でかなり悪質なケースに限られるようです。

もっとも、廃棄物処理法上の欠格要件に該当するような罰則が科されることは
稀だというだけで、過積載を行ったことによる罰則は他にもあります。

次回以降は、過積載で禁錮以上の刑罰が科された事例、
過積載による罰則をご紹介したいと思います。




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