「両罰規定」で会社が巻き込まれないために

「両罰規定」をご存知でしょうか。
「両罰規定」とは、何らかの犯罪が発生した場合に、その犯罪を犯してしまった人(実行した人)と会社を両方処罰する、という規定です。

たとえば、会社の業務時間中に、ドライバーが不法投棄をしたとします。
そうすると、そのドライバーについては不法投棄の実行犯として不法投棄の罪が成立します。

では、会社についてはどうでしょうか。

もし、そのドライバーが、会社の指示に基づいて不法投棄を行っていたとすれば会社も処罰するべきだと思われると思います。

このとき、「両罰規定」という規定があれば、会社も両罰規定によって処罰されます。

そして、会社は不法投棄の両罰規定によって処罰されれば当然のことながら廃棄物処理法(廃掃法)上の欠格要件に該当し、会社の許可が取り消されることになります。

一方、会社の業務時間中の行為とはいえ、そのドライバーが自己の判断で行ったことで、会社が無関係であるとすれば、「業務に関して」不法投棄をしたものではない、ということになって会社は処罰を免れることができます。

今回、不法投棄を例にあげましたが、両罰規定によって会社に犯罪が成立するのは、不法投棄だけではありません。
以下の法律違反によっても会社が処罰の対象となります。

廃棄物処理法32条1項1号

廃棄物処理法32条1項2号

会社が両罰規定によって巻き込まれないために

では、会社は、両罰規定によって従業員が行った違法行為に巻き込まれないためにはどうしたらいいでしょうか。

まず、社員教育


まず、社員教育が必要です。
どのような行為が廃棄物処理法違反になるのか、そして、廃棄物処理法に抵触する行為をしてしまった場合には(抵触したかどうかの判断が難しい場合も含めて)会社に報告することとするシステムを作っておくことが必要です。

従業員に違法行為があった場合に、従業員自ら会社に報告させるようにすることは難しいと感じられることもあるかと思います。

ただ、違法行為を会社が知らないままだと対策を立てられないために会社が両罰規定により処罰を受けてしまいかねません。

そうすれば、会社の許可は取消となり、従業員の方も職を失ってしまうことになりかねません。
従業員の方に廃棄物処理法の仕組みをよく理解いただき、何らかの違法行為をしてしまったかな…と悩んだときは、直ちに、上司の方に報告するように周知しておく必要があります。

どのような社員教育をすべきかは、業種により異なりますのでご相談ください。

社員教育の記録を取っておくこと

次に、社員教育を行ったら、その社員教育の記録をしておくことです。
これによって何か問題が生じたときに、会社はきちんと社員教育を行って会社として何が廃棄物処理法違反であるかを周知し、廃棄物処理法に違反する行為を行わないように指導していたことを説明することができます。

社員教育の記録は、従業員が行った廃棄物処理法違反行為が会社の両罰規定の適用を免れるための重要な証拠になります。

「何か」あったら早めに弁護士に相談を

「何か」が起こる前の事前の準備としては、これまでご説明してきたとおりですが、「何か」が発生してしまった場合、早めに廃棄物処理法を専門とする弁護士にご相談をされることをおすすめいたします。

暴行罪、傷害罪等の刑事事件であって被害者がいる場合、弁護士に早めに相談して被害者との示談を行うことを検討するべきです。

廃棄物処理法違反、被害者がいない犯罪の場合、法律の解釈等、検察官との交渉が重要となる場合があり、この場合には、廃棄物処理法を熟知した弁護士により検察官に対して説明等の対応を行うことが重要になります。

当事務所は、従業員が廃棄物処理法違反等の行為により会社に対する両罰規定の適用が問題となった際の対応も専門としております。
万が一、従業員の違法行為が発覚した場合には、早めにご相談ください(下の「お問合せはこちら」をクリックしていただくか、あるいは、下の電話番号<03-3571-1371>にご連絡ください)


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